MasaoApril's Library.

Software Testingなネタを書いてみた。

「探索的テストで工夫したこと」(3)探索的テスト実施中:観測

 昨年9月に開催されたソフトウェアテストシンポジウム2015北海道(JaSST'15 Hokkaido)のライトニングトークスで「探索的テストで工夫したこと」について、当時私が考えていたことを数回に分け書き記しています。

以前書いたこと

masaoapril.hatenablog.com
masaoapril.hatenablog.com

[2]探索的テスト実施中:観測

 下記について書き記します。

 図中の凡例は、下記5点です。

  • 白地の四角
    抽象度:低の成果物
  • 白地の円
    抽象度:低のプロセス(行動、やること)
  • 黒地の四角
    抽象度:高の成果物
  • 黒地の円
    抽象度:高のプロセス(行動、やること)
  • 赤囲み白地の四角
    白地の四角(抽象度:低の成果物)を集約した情報

なお、ET:"Exploratory Testing(探索的テスト)"と略称しています。

探索する目的や手段や探索するスコープ

 前回の探索的テスト実施前:情報収集で収集した情報や過去のテストで分かったことを踏まえ、テストで何を知りたいか、知るためにどのような手段を講じるか、現時点での(プロジェクトで確保している)工数でどの範囲でテストを行うかを勘案し、探索する目的や手段や探索するスコープを決めます。

データ出力

 テスト実施中に着目するデータをいくつか決めておきます。開発している製品やサービスによって異なりますが、Wiresharkで取得したパケットデータ(TCP/IPなど)の特定部分の変化を観測したりします。アプリケーションソフトでは、バイナリデータとして画像も観測します。

物理的出力

 組み込みシステムでは電気的出力として、視覚的なもの:Ethernet PortのLEDの点灯/消灯の時間間隔、聴覚的なもの:電気的スイッチのリレー音(例:車のウィンカーのカチカチ音)の時間間隔や音の大きさ、触覚的なもの:マイコンチップや電源回路から発せられる熱といった人間の五感(センサ)として観測しています。

普段の生活の中で観測した出力をどう研ぎ澄ませるか?

 電車通勤では、自動改札機でICカードを読取り部にかざしますが、ICカードと読取り部の距離を5mm余分に離したり近づけたりすることを試し、自動改札機のふるまいを見ることもよいでしょう。また、会社のセキュリティエリアICカードの社員証をかざし、解錠音が聞こえてからドアノブのレバーを下げるまでの時間を200ms間隔で変えてみて、ドアノブのレバーが完全に下がるか感じてみるのもよいです。

次回

 [3]ET実施後について、詳細を説明する予定です。