JaSST'13東海SIG(27) 探索的テストの5要素:第5要素『見直し可能な結果』
今回は、JaSST13'Tokai SIGで(時間不足で)触れなかった「探索的テストの5要素」の第5要素『見直し可能な結果』です。
第5要素:見直し可能な結果
・探索的テストは、結果指向プロセスである。
探索的テストは、「テスト実施結果を踏まえ、(テスト対象に潜んでいるバグを見つけるために)○○機能の△△に対し□□の手段でテストを実施すると、◇◇の挙動になるか?」を検討し、検討内容から頭の中や簡単なメモ書きでテストケースを生成して実行します。
スクリプトテストでも探索的テストでも何らかのテスト結果が無ければ、次に何のテストを実施するかを決めることは困難です。
<スクリプトテスト実施後の結果をベースに探索的テストで何をテスト実施するのか決める。>
スクリプトテストの結果で、テストがOK(バグ無し)でもNG(バグ有り)でも、「○○機能にある□□の出力だが、何の用途で利用されるのかよく分からない...」といった、テスト対象に対する要求仕様が見えてくることに気付くことがあります。探索的テスト実施のスタート地点は前述の気付くところであり、テスト対象がどのように利用されているかをメンバー間で議論し、1つのシナリオまたは状況を想定してから何をテスト実施するのかを決めています。
<探索的テスト実施後の結果から次のテストで何のテストを実施するのかを決める。>
チームメンバー間で重要視しているのは、「テスト結果を踏まえ、○○機能で改善の余地があると思うが、○○機能のどの部分を確認すればよいか?また、○○機能で怪しいと思うところや手薄のところはどこか?」という点です。
前述の重要視しているところを議論し、「○○機能の□□という動作で、△△の方法で外乱を入れてみて、◇◇の出力をモニタリングしてみましょう!」という形でさらに探索的テストを行っています。
・特定の要求を見つける成果物を作り出す。
※スライドの文言が誤っていました。正しくは、上記の文言です。
<特に、レビュー(見直し)可能で保証するための、正当化できるテスト結果が重要。>
探索的テストを実施した後、程度の差はありますがテスト結果を記録します。記録したテスト結果をベースに開発者やプロジェクトマネージャに探索的テストで実施したことを報告し、製品のリスクは何が残存しているか議論してから、次に実施するテストについて検討しています。
[最後に]
1年に渡り、「JaSST13'Tokai SIG」のタイトルでの私なりの解説や実例を紹介しました。様々な方から批判も含めたフィードバックを頂き、私にとっての問題点や課題が少しずつ見つけられたと実感しています。また、本blogを書くことを通じ、知見のインプットが足りなさすぎると実感しています。
今後は、さらなる知見を広げたり、現場のメンバーと共に少しでも工夫して、ソフトウェアテストから開発現場の良さを引き出し、製品を購入されるお客様に快適かつ迷惑をかけないように一歩一歩進めていく次第です。
多くのご支援頂いたみなさまに感謝すると共に、今後ともよろしくお願いいたします。