JaSST15北海道(2)「探索的テストチュートリアル:『やってみよう!探索的テスト。テストの常識を変えませんか?』」
9/18(金)に開催されたソフトウェアテストシンポジウム2015北海道(JaSST'15 Hokkaido)に参加しました。
私が参加したセッションは下記です。
セッション1 基調講演:
「探索的テスト - アジャイル時代の効率的なテストを考える」
セッション3-3 探索的テストチュートリアル:
「やってみよう!探索的テスト。テストの常識を変えませんか?」
セッション4-1-1 ライトニングトークス
セッション4-1-2 ビブリオバトル
セッション4-1-3 JaSST Hokkaidoセッション:
「ユーザビリティとユーザーエクスペリエンス、いかに向き合っていくか」
前回書いた記事
今回は、セッション3-3 探索的テストチュートリアル:「やってみよう!探索的テスト。テストの常識を変えませんか?」でやったことをメモとしてまとめました。
セッション1 基調講演:「探索的テスト - アジャイル時代の効率的なテストを考える」 高橋 寿一
(1)資料
下記、JaSST'15 Hokkaidoレポートに掲載されていますので、参照下さい。
http://www.jasst.jp/symposium/jasst15hokkaido/report.html#tutorial1
また、基調講演の資料の26~43枚目もあわせて参照下さい。
(2)お題
スマートフォンのアプリを1つ選び、探索的テストを行う。
(3)選んだアプリ
電卓アプリ(Android OS)
(4)流れ
1.探索的テストのPass/Fail基準を書く。
2.下記5項目のタスクシートを書く。
1.タスクの記述
2.探索アプローチガイド
3.結果
4.終了条件
5.FAQ
※当日は、時間切れで2.探索アプローチガイドまで実施。
3.実際に探索的テストを行う。
※当日は、時間切れで未実施。
(5)私がやった記録
(5-1)探索的テストのPass/Fail基準
定義 | Pass基準 | Fail基準 |
---|---|---|
機能性 | 四則演算ができること | 四則演算ができないこと |
信頼性 | 計算結果が正しいこと | 計算結果が誤っていること |
機能性 | ボタン入力が正しく入力されること | ボタンを入力しても何も出力(表示)されないこと |
機能性 | 最大桁数まで数値が入力できること | 最大桁数まで数値が入力できないこと |
信頼性 | 何らかの要因で電卓アプリが落ちないこと | 何らかの要因で電卓アプリが落ちること |
使用性 | メッセージ内容が理解できること | メッセージ内容が理解できないこと |
信頼性 | 様々な押し方をして、電卓アプリがクラッシュしないこと | 様々な押し方をして、電卓アプリがクラッシュすること |
信頼性 | 住宅ローンの金利計算が正確であること | 住宅ローンの金利計算がデタラメであること |
信頼性 | 飲み会の割り勘計算を何度行っても結果が同一であること | 飲み会の割り勘計算を何度行っても結果がバラバラであること |
信頼性 | 電卓アプリを動作することにより他アプリがクラッシュしないこと | 電卓アプリを動作することにより他アプリがクラッシュすること |
信頼性 | 年末調整の控除金額の計算が正しいこと | 年末調整の控除金額の計算が誤っていること |
(5-2)タスクシート
項目 | 内容 |
---|---|
タスクの記述 | 教科書の計算式を手計算と電卓アプリの2通りで行う |
探索アプローチガイド | 複雑な科学計算や役所の複雑な制度をネタにする。 |
結果 | (時間切れで記載できず) |
終了条件 | (時間切れで記載できず) |
FAQ | (時間切れで記載できず) |
(6)頭をかち割るアイディア
(6-1)機会損失が無いことが品質
例えば、機会損失:デジタルカメラのバッテリ残量が知らないうちに無くなり、シャッターチャンスを逃すこと。
(6-2)ユーザ欲しいもの
どのような品質か?(例:満足度)
(6-3)いつ探索的テストを終わらせるか?
例:バッテリが切れるまで
(7)まとめ
探索的テストは、アプリケーションによってアプローチが違う。
所感
Android OSのスマートフォンに触るのは初めてであったが、電卓アプリの操作を試して挙動を確認した後、実際にPass/Fail基準やタスクシートを書いてみると、様々なアイディアが浮かんできました。本チュートリアルでは、3名1チームでワイワイ話し合いながら発表をまとめていましたが、2名の方のアイディアから新たなアイディアを思いつきましたので、探索的テストをペアで行うことも1つのアプローチと思いました。
頭の中にあるアイディアを書き出すと、記憶が揮発してもアイディア内容が復元できるだけでなく、プロジェクトマネージャにテストで考えたことや実施したことを説明できるので、探索的テストとad hocテストやランダムテストの違いを理解する一助になると思いました。