JaSST15九州(3)「招待講演:テストエンジニアを育てるためのポイント」
10/9(金)に開催されたソフトウェアテストシンポジウム2015九州(JaSST'15 Kyushu)に参加しました。私が聴講したセッションは下記です。
基調講演:「ソフトウェアテストとしての脆弱性診断と開発プロセスの継続的改善」
徳丸 浩(HASHコンサルティング)
事例発表・経験発表:「開発エンジニアがどうしてソフトウェアテストに関心を持ったのか」
木下 真哉(九州ソフトウェアテスト勉強会)
事例発表・経験発表:「テストする人。の思うところ」
福田 里奈((九州ソフトウェアテスト勉強会)
招待講演:「テストエンジニアを育てるためのポイント」
鈴木 三紀夫(リコーITソリューションズ)
企画イベント(JaSST Kyushu実行委員会)
今回は、招待講演:「テストエンジニアを育てるためのポイント」です。
招待講演:「テストエンジニアを育てるためのポイント」 鈴木 三紀夫(リコーITソリューションズ)
(1)講演資料
JaSST'15九州のサイトに掲載されていますので、ご参照下さい。
http://www.jasst.jp/symposium/jasst15kyushu/report.html#invitation
(2)テストエンジニア育成 3つの段階
テストエンジニアの成長段階にあわせ、指導方法を変える。
(2-1)テストエンジニアになりたて
- 長所を伸ばす
- のびのび取り組んだ人:2~3年後劇的に変わる
- 型にはめ込まれた人:伸び悩む
(2-2)自信がついたころ
自己流ではなく、世の中でやってること(Test.SSF、HAYST法など)を知る。
- 自己流でやり続けないという意味で学ぶとよい。
- 自己流でやり続けると、行き詰まる。
- 自己の欠点を補うため。
「テストケース」という言葉は、仕事した人と話しても通じない。
- 理由:テスト設計のイメージがそれぞれ異なる。
- イメージ例:仕様書をコピー&ペーストしてモディファイしたテスト。
(2-3)リーダになったころ
- InputからOutputへ移行。
- Outputすると、伸びる!!
- テストプロセスの改善。
- 人を動かすほうが評価される。
(3)まとめ
(4)付録の話
(4-1)3色ボールペン法
メリットは、テストケースを考えるとき、仕様書を読みながらぼやいていたことを逃さずに書くと気付きがあり、テストケースを書くときに効果抜群であった。
(4-2)Test.SSF
- テストプロセスをアクティビティに分割すること
- 逸話
JaSST'04東京の情報交換会でテスト設計の話をじっくり聞いた人がいた。翌年のJaSST'05東京の情報交換会でテスト設計の話をじっくり聞いた人から「テスト設計がよかった」と話をされ、理由を聞くと「テスト設計の概念を社内で話したら、バグ検出が向上した。」とのこと。 - テスト要求分析
テストの質が上がる。 - テストアーキテクト設計
無駄なテストが見えてきた。
(4-3)テスト観点リスト
- 資産である。
- 「何をテストしたいか?」のノウハウが蓄積されている。
(4-4)不具合蓄積リスト
- プログラムを書く前に半日バグについて情報を集める。
- 過去のバグを引き出す
- 「どういうバグがあるか?」
- 気付いたバグは、バグを埋め込まれない。
- コストがかからず、効果が出る。
所感
本講演は、現場で工夫されたことを第3者に伝える形でまとめられているので、自組織でも実践できると思いました。「世の中でやっていること」を知ることは、失敗しないための工夫を知ることになるので、さらなる工夫ができるように開発メンバーに伝えつつ、共に進めようと思います。また、本講演資料から何らかのヒントが得られると思うので、開発現場で工夫するネタを考えてみようと思います。