システムテスト自動化カンファレンス2015(3)「自動家は見た ~自動化の現場の真実~」
2015/12/13(日)にテスト自動化研究会(STAR)主催のシステムテスト自動化カンファレンス2015に参加しました。
本blogでは、聴講したセッションから数回に分け、メモとしてまとめたものを紹介します。
セッション
講演内容は、下記セッションです。
(※<資料>にリンクを貼りましたので、参照下さい。)
1.テスト自動化のスキルを考えよう! ~テスト自動化エンジニアに求められるスキル、期待される役割~ 早川 隆治(テスト自動化研究会)/テスト自動化スキル標準 AutomationTest.SSF 考えてます。 コヤマン(テスト自動化研究会), →<資料1>/<資料2>
2.自動家は見た~自動化の現場の真実~ /".reviewrc"→"おいしが" →<資料1>/<資料2>
3.広告システム刷新よもやま話 - テストが当たり前となるまでにやったこと - /森下 大介(ヤフー株式会社MSC開発本部マーケッターPF開発部) →<資料>
4.楽天の品質改善を加速する継続的システムテストパターン /荻野 恒太朗(楽天), 菊川 真理子(楽天) →<資料>
5.キーワード駆動によるシステムテストの自動化について /小井土 亨(SQiP 運営委員会メンバー、株式会社OSK) →<資料>
6.Testing Tools for Mobile App /松尾 和昭(クックパッド) →<資料>
7.パネルディスカッションLIVE! テスト自動化”エンジニア” の今とこれから/登壇者:森下 大介(ヤフー株式会社), 荻野 恒太朗(楽天), 小井土 亨(SQiP 運営委員会メンバー, 株式会社OSK),松尾 和昭(クックパッド), AAA(review.rc)メンバ, モデレータ:浅黄 友隆(ヒューマンクレスト), 松木 晋祐(ベリサーブ)
今回は、「2.自動家は見た~自動化の現場の真実~」について紹介します。
2.自動家は見た~自動化の現場の真実~ /".reviewrc"→"おいしが"
(1)1年間の活動@みうみう(M氏)
(1-1)背景
- 開発対象
- B to BのWebアプリ
- ソースコードはカオス的状態
- メンテナンスされていない
- 開発チーム
- 5~7名規模
- 所属会社:様々
- スキル:バラバラ(ピンからキリまで)
- M氏の立ち位置
- 開発チームの弱点を補う
- 自動テスト
- 自動的に回す環境作り
- 継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリ(CD)
- 開発チームの弱点を補う
(1-2)開発チームに参入
- 与えられた課題を実現。
- 8割:開発、2割:自動家の割合で進めるよう、オーナーから要望があった。
(1-3)状況が変化
方針が変わった。
- 開発規約の導入 WBS導入によるプロジェクト管理 詳細設計書の作成 *従来のアプリから、新機能を搭載するため別アプリとしてフォークされる。
- M氏
- フォークされた新アプリのソフトウェア構造の整理&再設計をしていた。
- 非公認のレビュアーやリファクタリングも担当した。
- 自動家としての業務が縮小し、ついに離脱。
(1-4)自動化離脱後のふりかえり
「雇い主」と「お客さん」が望んだ場合に自動化の効果が最大になるのでは?
(2)マネージャ側@みずのり
(2-1)パターン
「うるさい人がいなくなる」
(2-2)マネージャ
- コンフォートゾーン
- 自分の経験や知識があり、因果関係を予想できる範囲。それ以外は、理解するのは容易ではない。
- 自動化は、範囲外となることが多い。
(2-3)抵抗の6階層
- 問題
- 問題の存在に合意しない
- ソリューション
- ソリューションの方向性に合意しない
- ソリューションが問題解決できると思わない
- ソリューションの実行でマイナス影響が発生
- 解決策実現
- ソリューションの実行を妨げる障害がある
- その結果起こる未知のことへの恐怖
(2-4)本当に価値があれば
数値で説明できるメトリクスを持つことが大切。
(3)「自動家」を「仕事」にするには
(3-1)顧客サイド
自動化システムの成果物を得るには?
(3-2)マネージャサイド
- 組織でお金が儲かる
- ロジック検証
- 投資に対するペイバックどの位か?
(3-3)M氏(現場)サイド
- 本当に「売るべきモノ」は?
- 開発現場での制約
- 「社内スタンプラリーお遍路」
- 「内線番号の手配」
- 「役職クラス以上が見れる進捗閲覧システム」
- 「テスト自動化の道具を印刷して自前で再現」
- ネット禁止、OSS利用不可
- 開発現場での制約を打ち破るには?
- 自動家を増やす!
所感
自動テストを進める上の課題や問題点で自組織に該当するものもあり、現場とステークホルダの間の溝を埋められるよう、自動テストで実績をあげることが必要と思いました。また、「利益を増やす」「損失を減らす」の2点が両輪となるよう、問題提起と解決案を見つけることが課題として進める必要があると思いました。