探索的テストのプロセス(3)「探索的テスト実施前」
今回は、前回(探索的テスト実施時の内容を洗い出したプロセスの流れ)の詳細を説明します。時間の都合上、「探索的テスト実施前」のみ説明します。
前々回&前回
探索的テスト実施時のプロセスの流れ
下記に前回から微小に修正したプロセスの流れを掲載します。 (※ET:探索的テスト(Exploratory Testing)。以下、ETと表記。)
1. 全体
「ET実施前」「ET実施中」「ET実施後」の3つのフェーズに分けたのは、私のETの行動パターンを大まかに分類するためです。また、各フェーズの「情報を獲得」「情報を加工」「情報を蓄積」は、私のETの行動パターンを思い出した際、共通のプロセスと考えました。
2. ET実施前
「何をどのように探索するのか?」を決定するためのトリガーになる情報です。
2.1 ET実施前:情報を獲得
ETを実施する前、「ドキュメント」「過去の学習内容」「ノウハウ」「会話」の主要な情報を獲得しています。「ドキュメント」「過去の学習内容」は形式知、「過去の学習内容」「ノウハウ」「会話」は暗黙知と考えています。
「過去の学習内容」は、暗黙知と形式知の両方の性質を持つと考え、以前実施した「ET実施後」の「学習内容」がフィードバックするとき、暗黙知と形式知が自己に取り込まれることを想定しています。
「ノウハウ」と「会話」が互いに矢印になっていますが、プロジェクトメンバーとの情報のやりとりを想定し、フィードバックする形で暗黙知が充実することを表現しています。
2.2 ET実施前:情報を加工
前項の情報から「不明点」「疑問点」「設計の弱点」「不安な点」で無意識に分類されると仮定しています。
- 「ドキュメント」を見て、分からないことを認識し、不明点を明確化します。
- 「ドキュメント」と「過去の学習内容」の情報を照らし合わせ、違和感がある情報を疑問点として明確化します。
- 「過去の学習内容」「ノウハウ」「会話」から得られた情報を統合し、設計の弱点を特定します。
- 「会話」から不安な点を引き出し、設計の弱点を特定するための補助情報として活用します。
2.3 ET実施前:情報を蓄積
前項の情報を統合し、「探索目的」「探索手段」「探索するスコープ」の3点の情報を蓄積し、ET実施中に繋げます。
次回
次回は「3.ET実施中」「4.ET実施後」を説明する予定です。